「好きな古着に囲まれて、自分の城を持つ」。
ええ夢やと思います。わいも最初はそうでした。
せやけど、ハッキリ言います。古着屋経営は、そんな甘い世界やありません。
キラキラしたインスタの裏側では、売れない在庫の山に頭を抱え、月末の支払いに怯えるオーナーがぎょうさんおるんです。
中小企業庁のデータを見ても、個人事業主の廃業率は1年で約4割、3年で6割を超えとる。
特に参入障壁が低い古着屋は、もっと厳しい世界やと言われとります。
わい自身、2010年、あのリーマンショックの煽りを受けて、大切に育ててきた店を2店舗も潰しました。
地獄を見ましたわ。
でも、そのどん底の経験があったからこそ、今があります。
今日は、わいの恥ずかしい失敗談も全部さらけ出して、古着屋経営で絶対にハマったらあかん「落とし穴」について、本音で語らせてもらいます。
目次
わいがリーマンショックで学んだ、経営が傾く5つの兆候
順風満帆やと思てても、店の経営っちゅうのは、気づかんうちに少しずつ傾いていくもんや。
特に、わいが経験したリーマンショックみたいな大きな経済の波が来た時、その脆さは一気に露呈します。
あの頃を振り返って、今やから分かる「店が潰れる前兆」。
皆さんも自分の店と照らし合わせながら読んでみてください。
兆候1:「好き」だけで仕入れてまう「自己満在庫」の山
これが一番多い落とし穴やないかな。
「自分がカッコええと思うもん」「自分が好きなブランド」ばっかり仕入れてしまう。
もちろん、店の個性やオーナーのセンスは大事やで。
でもな、それはビジネスやのうて、ただのコレクションや。
わいも昔はそうでした。
「このヴィンテージの良さが分からん客はセンスないわ」くらいに思てた。
結果、どうなったか。
店のバックヤードは、わいの「好き」で溢れかえり、キャッシュはどんどん減っていく。
商品は資産やなんて言いますけど、売れへんかったらただのゴミと一緒。
スペースを圧迫し、新しい仕入れの資金を奪うだけの「負債」になるんです。
兆候2:どんぶり勘定が生む「静かな資金ショート」
「今月はそこそこ売れたから、まあ大丈夫やろ」。
この感覚が一番危ない。
売上から仕入れ値を引いただけの、ざっくりとした利益計算。
家賃、光熱費、人件費、さらには見えにくい通信費や備品代まで、ちゃんと経費を把握できてますか?
リーマンショックの時、わいはまさにこれでした。
売上は確かに下がった。でも、それ以上に固定費の重圧がジワジワと経営を蝕んでいったんです。
気づいた時には、次の仕入れ代も、来月の家賃も払われへん状態。
これが「黒字倒産」の恐怖や。
帳簿上は利益が出ていても、手元に現金がなければ、ビジネスは一瞬で止まってしまうんやで。
兆候3:SNS更新が止まる「集客努力の息切れ」
開店当初は毎日更新してたInstagram。
だんだんネタも尽きてきて、週一になり、月一になり…。
これ、めっちゃ危険なサインやで。
集客は、店のドアを開けて待ってるだけやったらあかん時代です。
特に古着屋は、SNSでの発信が生命線。
更新が止まるっちゅうのは、店の存在を世の中にアピールするのをやめたのと同じこと。
お客さんの記憶からも、検索結果からも、どんどん忘れ去られていきます。
経営が苦しくなると、日々の作業に追われて発信が後回しになりがち。
でも、苦しい時こそ、知恵を絞って店の魅力を伝え続けなあかんのです。
兆候4:「常連さん頼み」という名の新規顧客の不在
いつも来てくれる常連さん。ほんまにありがたい存在や。
でも、その常連さんだけで店の経営が成り立ってる状態は、実は非常に不安定やねん。
そのお客さんが引っ越したら?好みが変わったら?
店の売上は一気にガタ落ちします。
安定した経営のためには、常に新しいお客さんに来てもらう努力が不可欠。
「最近、初めて来てくれるお客さん、減ったな…」と感じたら、それは店の成長が止まってる証拠。
外から見て入りにくい雰囲気になってへんか?
SNSで新しいお客さんに届くような発信ができてるか?
常に自問自答せなあきません。
兆候5:外部環境の変化への無関心と対応の遅れ
「うちはヴィンテージ専門やから、流行り廃りは関係ない」。
そう思てました、わいも。
でも、リーマンショックはそんな甘い考えを木っ端微塵にしてくれました。
経済が冷え込むと、お客さんの財布の紐は固くなる。
どんなに良いヴィンテージでも、「高い服」は真っ先に敬遠されるようになるんです。
これは経済危機だけの話やない。
フリマアプリの台頭、大手リユースショップの進出、サステナブル意識の高まり…。
古着業界を取り巻く環境は、ものすごいスピードで変化しとる。
この変化の波を読んで、自分の店の舵取りを柔軟に変えていかれへん店は、時代に取り残されて沈んでいくだけなんや。
失敗から這い上がれ!古着屋経営を立て直す5つの処方箋
どん底まで落ちたわいやけど、ただでは起き上がらんかった。
失敗の数だけ、学びがあった。
ここからは、わいが2店舗を潰した地獄の経験から導き出した、経営を立て直すための具体的な方法を教えます。
今、経営に悩んでる人は、絶対に実践してほしい。
処方箋1:在庫は「売れる商品」7割、「見せる商品」3割で考える
「好き」を完全に捨てる必要はない。
でも、ビジネスとして成立させるにはバランスが大事や。
わいが再起して徹底したのは、在庫を役割で分けることでした。
在庫構成の黄金比
- 売れる商品(7割): いわゆる「回転在庫」。トレンドを意識したレギュラー古着や、安定して需要がある定番アイテム。ここで確実にキャッシュを生み出す。
- 見せる商品(3割): オーナーのセンスが光るヴィンテージやデザイン性の高いアイテム。これは店の「顔」であり、集客のフック。利益率は高く設定するが、すぐに売れなくても焦らない。
この比率を意識するだけで、店のキャッシュフローは劇的に改善します。
「売れる商品」で日々の運転資金を稼ぎ、「見せる商品」で店のファンを作る。
この両輪が、安定した経営の土台になるんです。
処方箋2:キャッシュフロー経営の徹底。最低半年分の運転資金は死守せよ
もう、どんぶり勘定は絶対にやめたらあかん。
わいが今コンサルで必ず言うてるのは、「PL(損益計算書)よりCF(キャッシュフロー計算書)を見ろ」っちゅうこと。
つまり、儲かってるかどうかの前に、「手元に現金がいくらあるか」を常に把握することが何よりも重要や。
具体的には、以下の数値を毎月必ずチェックしてください。
| 項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 営業CF | 本業で稼いだ現金 | プラスが絶対条件 |
| 投資CF | 設備投資などで出た現金 | マイナスが基本 |
| 財務CF | 借入や返済で動いた現金 | 経営状況による |
| 運転資金 | 家賃、人件費などの固定費 | 最低でも半年分は確保 |
特に運転資金。これが尽きた時が、ビジネスの終わりや。
売上が不安定な開業初期は、最低でも半年分の運転資金を確保した状態でスタートせな、あっという間に資金ショートします。
売上が良くても、絶対に使い込まず、「守りの資金」として別に確保しておく。
この徹底ができるかどうかで、店の寿命は大きく変わってきます。
処方箋3:オンラインとオフラインの合わせ技で集客の仕組みを作る
実店舗だけで待つ時代は終わりました。かといって、オンラインだけでも限界がある。
これからの古着屋は、両方を連携させた「仕組み」で集客せなあかん。
集客の仕組み化 具体例
- Instagram/TikTok: 世界観を伝える投稿でファンを作る。入荷情報を発信し、来店やECサイトへの期待感を高める。
- ECサイト(オンラインストア): 全国の顧客に販売する窓口。実店舗に来られない人にもアプローチできる。在庫管理システムと連携させることが重要。
- 実店舗: 商品を実際に手に取ってもらう体験の場。オーナーとの会話や、店の雰囲気そのものが価値になる。
- Googleマップ(MEO対策): 「地域名 古着屋」で検索された時に上位表示されるように情報を最適化する。これは無料でできる強力な集客ツールや。
これらのチャネルを連動させるんです。
インスタで気になったお客さんがGoogleマップで場所を調べて来店する。
店舗で悩んだ商品を後からECサイトで購入する。
この流れをスムーズに作ることができれば、集客に困ることはなくなります。
処方箋4:店の「コンセプト」を尖らせて、唯一無二の価値を提供する
古着屋は今や飽和状態。どこにでもあるような商品を並べてるだけでは、価格競争に巻き込まれてジリ貧になるだけや。
生き残るためには、「なぜ、あなたのお店で買う必要があるのか?」という問いに、明確に答えられなあかん。
それが「コンセプト」です。
- 「90年代のストリートファッション専門」
- 「ヨーロッパのレディースヴィンテージだけを扱う」
- 「大きめサイズのメンズ古着ならどこにも負けない」
なんでもええ。
ターゲットを絞って、その人たちに深く突き刺さるような店作りをするんです。
コンセプトが明確になれば、仕入れもブレへんし、SNSでの発信内容も決まってくる。
「なんでも屋」を目指すんやなく、「〇〇ならあの店」と言われる存在になること。
それが、価格競争から抜け出す唯一の方法やとわいは思います。
処方箋5:データ分析で経営を「見える化」する
昔のわいみたいに、勘と経験だけで経営するのはギャンブルと一緒や。
今はPOSレジやECサイトの分析ツールを使えば、いろんなデータが簡単に見える時代。
これを活用せえへん手はない。
- どの商品が、いつ、どれくらい売れたか?(売筋・死筋分析)
- お客さんの年齢層や性別は?(顧客分析)
- リピート率はどれくらいか?(リピート分析)
- どのSNS経由のアクセスが多いか?(流入分析)
これらのデータを分析すれば、「なんとなく」やった経営が、根拠のある戦略に変わります。
「この時期はスウェットが売れるから、多めに仕入れよう」
「20代女性の来店が多いから、インスタの投稿をレディース中心にしてみよう」
データに基づいた仮説と検証を繰り返すことで、経営の精度は格段に上がっていくんです。
これから古着屋を始める君へ。絶対に守ってほしい3つの約束
最後に、これから古着屋という荒波に漕ぎ出そうとしている未来のオーナーたちへ。
わいの失敗を繰り返さんように、これだけは守ってほしいという約束を3つだけ伝えさせてください。
約束1:初期投資は徹底的に抑えること
「最初やから、内装もカッコよくて、在庫もパンパンにしたい!」
その気持ち、痛いほど分かる。でも、ぐっと堪えてくれ。
開業時の初期投資は、後々の経営を圧迫する最大の要因になります。
特に店舗物件にかかる費用はデカい。
最初は居抜き物件を探したり、DIYで内装を仕上げたり、できる限りコストを抑える工夫をしてください。
見栄を張って立派な店構えにするより、手元に運転資金を多く残す方が、100倍大事やで。
約束2:小さく始めて、大きく育てる意識を持つこと
いきなり実店舗を持つのが不安なら、まずはオンライン販売やポップアップストアから始めてみるのも賢い選択や。
SNSでファンを増やしながら、少しずつ商品を売ってみる。
そこで得た資金と経験を元に、次のステップに進む。
この「スモールスタート」の考え方は、リスクを最小限に抑える上で非常に重要です。
最初から100点満点を目指さんでええ。
走りながら考えて、お客さんの反応を見ながら少しずつ店を育てていく。
そのプロセス自体が、あなただけの店の強みになっていくはずや。
約束3:相談できる師匠や仲間を見つけること
経営者は孤独や。
特に個人でやってると、悩みを一人で抱え込んでしまいがち。
わいも2店舗潰した時、誰にも相談できずにホンマに辛かった。
だから、絶対に孤立したらあかん。
尊敬できる先輩経営者、同じ志を持つ同業の仲間、なんでも話せるパートナー。
誰でもええから、困った時に相談できる相手を見つけてください。
他人の客観的な意見は、自分一人では気づけへんかった視点を与えてくれる。
プライドは捨てて、人の知恵を借りる勇気を持つこと。
それが、長くビジネスを続けるための秘訣やと、わいは信じてます。
まとめ:失敗は最高の教科書や。何度でも立ち上がって夢を掴もう
長々と語ってきましたが、わいが伝えたかったことは一つです。
古着屋経営は、夢だけでは成り立たん厳しいビジネスやということ。
せやけど、正しい知識を学び、失敗を恐れずに行動し続ければ、必ず道は開けるということ。
わいはリーマンショックで全てを失いかけました。
でも、あの時の悔しさ、情けなさ、そしてどん底から這い上がった経験が、今のわいのコンサルタントとしての血肉になっています。
失敗は、決して終わりやない。
それは、成功するための一番分厚い教科書なんや。
この記事を読んでくれたあなたが、わいと同じ轍を踏まず、一歩でも着実に夢に近づけることを、心から願っています。
悩んだらいつでも声かけてや。
一緒に頑張りましょう!