「2月と8月はホンマにお客さんが来んなぁ…」「繁忙期はええけど、閑散期の売上の落ち込みがキツイわ…」
古着屋を経営してはる皆さん、こんな悩みを持ってはりませんか?正直に言うと、その気持ち、痛いほど分かります。繁忙期に売上が伸びるのは、ある意味当たり前。ホンマの勝負は、お客さんの足が遠のきがちな閑散期に、いかにして売上を確保するか、やと私は思ってます。
こんにちは、古着ビジネス専門コンサルタントの佐藤健一です。これまで15年以上、古着ビジネスの世界で飯を食ってきました。自分でも3店舗の古着屋を経営して年商2億円まで成長させた経験もありますし、今は年間50社以上の古着屋さんの立ち上げや経営のお手伝いをさせてもろてます。
この記事では、私の数々の失敗と成功の経験から導き出した、閑散期でも売上をしっかり維持するための具体的なイベント・セール企画を7つ、惜しみなくお伝えします。この記事を読めば、明日からすぐに実践できる具体的なアクションプランが手に入ります。一緒にこの厳しい閑散期を乗り越えていきましょう!
古着屋の閑散期とは?まず現状を理解しよう
「なんで2月と8月はこんなにお客さんが減るんや…」その理由をちゃんと理解することが、対策の第一歩やで。
アパレル業界では、一般的にセールが終わった後の2月と8月が「ニッパチ」と呼ばれる閑散期にあたります。これは、多くの人が冬物や夏物のセールで買い物を済ませてしまい、いったん消費が落ち着くからです。古着屋もこの影響を大きく受けます。特に、学生さんが春休みや夏休みに入る前で、財布の紐が固くなる時期とも重なります。
しかし、悲観する必要はあらへん。実は、古着業界全体で見れば、追い風が吹いてるんですわ。リユース市場は年々拡大していて、2024年で約5,830億円、2025年には6,230億円規模まで成長すると予測されるほど、古着市場は今も成長を続けています。つまり、古着に興味を持つ人は増え続けてる。問題は、その人たちに「閑散期にあなたの店に来る理由」をどうやって提供するか、っちゅうことです。
参考: まだまだ続くか古着ブーム 24年の古着輸入、金額は過去最高に
正直に言うと、私も昔は閑散期対策を甘く見てました。2010年のリーマンショックの時、景気の冷え込みと閑散期がダブルパンチで来て、売上が一気に半分以下に落ち込みました。当時は3店舗経営してましたが、資金繰りが一気に悪化して、泣く泣く2店舗を閉店させることになったんです。
ホンマに辛い経験でした。でも、この失敗があったからこそ、「繁忙期に稼ぐのは当たり前、閑散期をどう乗り切るかで店の寿命が決まる」ということを骨身にしみて理解できたんです。皆さんは、私と同じ轍を踏んだらあきませんで。
閑散期でも売上を維持するイベント・セール企画7選
ここからは、私が実際に試して効果があった、閑散期を乗り切るための具体的なイベント・セール企画を7つ紹介します。どれも明日から始められることばかりやから、ぜひ参考にしてください。
1. テーマ別セールイベントで「来店理由」を作る
閑散期にお客さんが来ない一番の理由は、単純に「店に行く理由がない」からです。やから、こっちから「行く理由」を作ってあげることが大事なんですわ。
そこでおすすめなのが、「テーマ別セールイベント」です。例えば、「70年代レトロスタイル特集」とか「春のミリタリージャケット祭り」みたいに、特定の年代やスタイル、アイテムに絞ったイベントをやるんです。
| イベントテーマ例 | ターゲット顧客層 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 70年代レトロスタイル特集 | 20代〜30代の女性、古着好き | 特定のスタイル好きに強く訴求 |
| 春のミリタリージャケット祭り | 20代〜40代の男性 | 季節の変わり目の需要を喚起 |
| バンドTシャツセール | 10代〜30代の男女、音楽好き | 新規顧客の獲得 |
このイベントのポイントは、ただ商品を並べるだけやないこと。例えば、「70年代特集」なら、スタッフも70年代風のファッションで固めて、店内のBGMも当時の音楽にする。そうやって、店全体でテーマの世界観を作り込むんです。そうすると、お客さんはただ服を買いに来るんやなくて、その「体験」を楽しみに来てくれるようになります。
告知は最低でも2週間前から、InstagramやX(旧Twitter)で「今度の週末は70年代特集やります!こんなレアなアイテムも出しますよ!」みたいに、写真を載せて毎日少しずつ情報を出していくのが効果的です。そうすることで、お客さんの期待感を煽ることができます。
2. 福袋・ミステリーバッグで在庫回転と話題性を両立
「福袋」って聞くと、正月のイメージが強いかもしれへんけど、実は閑散期にこそ効果を発揮する飛び道具なんですわ。
中身が分からないワクワク感は、お客さんの購買意欲を強く刺激します。特に、SNSとの相性が抜群で、「#古着福袋開封」みたいなハッシュタグで投稿が拡散されやすい。これは、店側が何もしなくても、お客さんが勝手に宣伝してくれるようなもんです。
私がコンサルしたあるお店では、閑散期の2月に「春物先取りミステリーバッグ」という企画をやってもらいました。1万円で、春物のライトアウター、スウェット、Tシャツの3点が必ず入る、という内容です。結果、普段は客足が鈍る2月にもかかわらず、このミステリーバッグ目当てのお客さんが殺到して、前年の同月比で売上が120%もアップしたんです。滞留しがちやった春物在庫も一気にさばけて、一石二鳥でしたわ。
ミステリーバッグ企画のポイント
- 価格設定
「これなら損はせんな」とお客さんが思える絶妙な価格設定が大事。原価を意識しつつも、少しお得感を出せるように、例えば「15,000円相当の商品が入って10,000円!」みたいに訴求するのがええでしょう。- 中身のバランス
全てが当たりである必要はないけど、必ず1点は「おっ!」と思わせる目玉商品を入れること。これが顧客満足度とSNSでの評価に直結します。- 告知方法
中身をチラ見せするような投稿で期待感を煽るのが効果的。「レディースMサイズ、残り3点です!」のように、リアルタイムで在庫状況を発信するのも購買意欲を刺激します。
この企画は、在庫整理と売上アップ、さらには新規顧客の獲得まで期待できる、まさに一石三鳥の企画やと言えます。
3. ポイント・スタンプカードでリピーター育成
閑散期に売上を安定させるには、新規顧客の獲得も大事やけど、それ以上に「リピーター」をいかに増やすかが鍵になります。そこで効いてくるのが、昔ながらのポイントカードやスタンプカードです。
「今どきアナログやな」と思うかもしれへんけど、これが意外と効果的なんですわ。財布の中にカードがあるだけで、お客さんは無意識に「あ、あの古着屋に行こうかな」と思い出すきっかけになる。特に、閑散期には「ポイント2倍キャンペーン」みたいな企画を打つと、再来店の強力な動機付けになります。
リピーター施策 実施ステップ
- カードの準備
デザインに凝る必要はあらへん。シンプルなもので十分。ハンコを押すタイプなら、初期費用もほとんどかかりません。- 特典の設定
例えば、「3,000円お買い上げごとに1ポイント、10ポイント貯まったら次回1,000円割引」のように、分かりやすくて達成可能な目標を設定するのがコツです。- デジタル化の検討
最近では、LINE公式アカウントを使ってポイントカードを管理するのも主流です。これなら、お客さんはカードを忘れる心配もないし、お店側はメッセージを送って再来店を促すこともできます。詳しくは、LINEの公式サイトで確認してみてください。
私の店でも、このスタンプカードを導入してから、リピート率が約1.5倍に増えました。コツコツ続けることが大事なのは、商売もスタンプカードも一緒やで。
4. SNS連動企画で口コミ拡散を狙う
今の時代、SNSを使わん手はあらへん。特に、お金をかけずにできる口コミ拡散は、閑散期にこそ積極的に狙っていくべきです。
一番手軽で効果的なのが、「ミラーセルフィー投稿割引」です。店内にええ感じの鏡と照明を用意して、「#(お店の名前)コーデ」みたいなハッシュタグを付けて、うちで買った服を着た写真を投稿してくれたら、次回使える10%オフクーポンをプレゼントする、という企画です。
これのええところは、お客さんが楽しんで参加してくれること。そして、その投稿を見たお客さんの友達が、「この店、面白そうやな」と思って来店してくれる可能性があることです。まさに、自然な口コミが生まれる瞬間ですわ。
SNS連動企画の注意点
- 参加のハードルを下げる
「顔出しは必須にしない」「ハッシュタグを付けるだけでOK」など、誰でも気軽に参加できるようにすることが大事です。- 見返りを明確にする
「10%オフ」「ステッカープレゼント」など、参加してくれた人への感謝の気持ちをちゃんと形にすること。- 過度な押し付けはNG
「投稿してください!」と強くお願いするのは逆効果。あくまで「よかったら参加してくださいね」というスタンスが大事です。
Instagramのストーリーズで、お客さんの投稿を「こんな素敵な着こなしありがとうございます!」と紹介してあげるのも、お客さんとの関係性を深めるのに効果的です。
5. 地域イベント・ポップアップ出店で新規顧客開拓
店の中で待ってるだけやなくて、外に出ていくことも大事な戦略です。特に、普段お店に来ないような新しいお客さんと出会うには、地域のイベントやフリーマーケットへの出店が効果的です。
地域のマルシェや商店街のお祭り、音楽イベントなど、人が集まる場所には積極的に顔を出すべきです。そこで大事なのは、利益を出すことよりも、「お店の名前と顔を覚えてもらうこと」を最優先に考えることです。
実は私、昔ポップアップ出店で大失敗したことがあります。出店料が高い都心の一等地のイベントに出て、周りもおしゃれなブランドばかり。気合を入れて高い商品をたくさん持っていったんですが、結果は惨敗。売上は出店料にも届かず、大赤字でした。この失敗から学んだのは、「場所と客層に合わせた商品選定が命」やということです。
地域のイベントなら、手に取りやすい価格帯のTシャツや小物を中心に揃えて、まずは気軽に買ってもらう。そして、「今度、お店にも遊びに来てくださいね」とショップカードを渡して、実店舗への来店につなげる。この流れを作ることが重要なんです。
6. オリジナルグッズ製作体験で「体験価値」を提供
最近の若い子やファミリー層にウケるのが、「体験型」のイベントです。ただ服を売るだけやなくて、何かを作る楽しみを提供することで、お店のファンになってもらうんですわ。
例えば、無地のエコバッグやポーチを用意して、スタンプや布用ペンで自由にデザインしてもらうワークショップなんかは、手軽に始められておすすめです。参加費500円とか1,000円とかで、材料費と少しの利益が出るように設定します。
この企画の目的は、物販で大きく儲けることやありません。「あのお店に行ったら、何か面白いことができそう」と思ってもらうことが一番大事。子供が楽しんでくれたら、親御さんも「また連れてきてあげよう」と思いますやんか。それが、未来のお客さんにつながるんです。
体験イベント実施のチェックリスト
- [ ] ターゲットは誰か?: 若い女性向けか、ファミリー向けか。
- [ ] 準備は簡単か?: スタッフに負担がかかりすぎないか。
- [ ] 安全性は確保されているか?: 子供が参加しても安全な材料か。
- [ ] 参加費は妥当か?: 気軽に参加できる価格か。
- [ ] 告知方法は?: SNSで楽しそうな様子を伝えられるか。
「不器用やから…」という人のために、簡単な見本をいくつか用意しておくと、参加のハードルがぐっと下がりますで。
7. 会員限定セール・先行入荷案内で特別感を演出
「あなただけは特別ですよ」と言われて、嫌な気がする人はいませんやろ。この「特別感」を演出するのが、リピーター育成の最終兵器です。
LINE公式アカウントやメールマガジンに登録してくれている「お得意様」だけに、「会員様限定!全品20%オフセール」とか「週末入荷のスペシャルヴィンテージ、先行でお見せします」みたいな限定情報を送るんです。
この施策のええところは、お店側がアプローチしたいお客さんにだけ、ピンポイントで情報を届けられること。全体に公開するセールと違って、利益を削りすぎることもありません。むしろ、「会員になっておいて良かった」とお客さんのロイヤリティ(忠誠心)を高めることができます。
海外の古着屋さんでは、毎月「コードワード(合言葉)」を会員だけに送って、レジでその言葉を言うと割引が受けられる、なんて面白い取り組みもやってるそうです。こういう遊び心も、お客さんとの関係を深めるのに一役買いますわな。
イベント・セール企画を成功させる3つのポイント
ここまで7つの企画を紹介してきましたが、どんな企画もやり方を間違えたら失敗します。最後に、企画を成功に導くための大事なポイントを3つ、お伝えします。
ポイント1:告知は最低2週間前から、複数チャネルで
どんなに素晴らしい企画も、お客さんに知ってもらえんかったら意味がありまへん。告知は、イベントの成否を分ける最も重要な要素です。最低でも2週間前から、SNS、店頭のPOP、LINE、メールなど、使えるメディアを総動員して告知を始めましょう。
私も昔、告知を怠って大失敗したことがあります。最高のヴィンテージアイテムを揃えたセールを企画したのに、告知を始めたのが3日前。結果、お客さんはまばらで、商品はほとんど売れ残り。「ええモン揃えれば客は来る」なんていうのは、ただの幻想やと痛感しました。告知は、しつこいぐらいがちょうどええんです。
ポイント2:利益計算を忘れずに
セールやイベントをやると、ついつい割引率を上げたくなりますが、これは絶対にやったらあかんことの一つです。その場の売上に目がくらんで、利益を削りすぎたら、何のために商売やってるか分かりまへん。
必ず、「この割引率なら、粗利はいくら残るのか」「客単価がいくらになれば、目標利益を達成できるのか」を事前にしっかり計算してください。赤字覚悟のイベントは、体力がある大手しかできまへん。うちらみたいな個人店は、コツコツ利益を積み重ねることが大事なんです。
ポイント3:効果測定と改善を繰り返す
イベントは、やって終わりやありません。必ず、「今回の企画で来店客数は何人増えたか」「売上はいくら上がったか」「客単価はどう変化したか」を記録して、振り返りを行ってください。
そして、「次はもっとこうしてみよう」「この告知方法が一番反応が良かったな」という改善点を見つけて、次の企画に活かす。このPDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回し続けることが、イベントの成功率を上げていく唯一の方法です。
まとめ
古着ビジネスは、決して楽な商売やありません。特に、閑散期は多くの経営者が頭を悩ませる厳しい時期です。でも、周りが守りに入るこの時期にこそ、知恵を絞って行動することが、ライバルと差をつける絶好のチャンスなんですわ。
今回紹介した7つの企画は、どれも私が実際に試して、効果を実感してきたものばかりです。全部を一度にやる必要はありまへん。まずは自分の店に合いそうなもの、すぐに始められそうなものから一つ選んで、試してみてください。そして、失敗を恐れずに、改善を繰り返していく。その「コツコツ続ける」姿勢が、必ず結果につながります。
皆さんの成功のために、私の経験が少しでも役に立てば、これほど嬉しいことはありません。一緒にこの閑散期を乗り越えて、笑って繁忙期を迎えましょう!