「うわ、このシミさえ無ければ高く売れるのに…」「この穴あき、どうにかならんか…」古着の仕入れで、そんな悔しい思いをしたこと、あんたもあるんちゃう?正直に言うて、ワイも昔はよう失敗しましたわ。
特に忘れられへんのが、2012年に海外仕入れで品質トラブル起こして300万円の損失を出したこと…。でもな、その失敗のおかげでわかったんですわ。「ダメージは、正しい知識さえあれば宝の山になる」ってことを。
この記事では、ワイが年商2億円の古着屋を経営してきた中で培った、シミや穴あきを「価値」に変える具体的なリペア術と、ビジネスとして成功するための「リペアすべきか」の見極め方まで、全部教えます。これを読めば、今まで諦めてたダメージ古着が、あんたの店の利益を押し上げるエースに変わるかもしれんで!
目次
なんで今、古着のリペア・クリーニングが重要なん?ビジネスを伸ばす3つの理由
古着をただ仕入れて売るだけやったら、これからはジリ貧やで。なんでリペアやクリーニングが大事なんか、しっかり頭に入れといてや。

儲けに直結!利益率を爆上げするリペアの威力
正直に言うて、これが一番の理由や。例えば、シミがあるっちゅうだけで100円で叩き売られてるブランドTシャツがあるとしますわな。普通なら見向きもせんかもしれん。でも、正しいシミ抜きの知識があれば、原価数十円の洗剤でそのシミがキレイに落ちる。そしたらどうや?そのTシャツが3000円、いや5000円で売れることかてあるんや。仕入れ値を極限まで抑えて、販売価格を上げる。リペアはコストやのうて、利益を生み出すための「投資」なんやで。
ライバルと差をつける!「一点モノ」の価値の作り方
みんなが仕入れるようなキレイな古着ばっかり追いかけてたら、結局は価格競争に巻き込まれるだけや。でも、ちょっとダメージがある服はどうや?ライバルは避けていくやろ。そこがチャンスやねん。デニムの穴あきなんかは、ただのダメージやなくて「味」として価値が上がることもある。あえてデザインとしてリペアを施すことで、世界に一つだけの「一点モノ」が生まれるんや。こういう服にこそ、熱狂的なファンがつくもんやで。
サステナブルな時代の追い風に乗る
最近よう聞くやろ、「サステナブル」って言葉。もう「使い捨て」の時代は終わりつつあるんや。 一つの服を大事に長く着る、修理してでも使うっていう考え方が、お客さんにも確実に広がってる。 リペア済みの商品を売ることは、単に商品を売るだけやなく、「うちはモノを大事にする店ですよ」っていうメッセージにもなる。これが店のブランドイメージを上げて、結果的にお客さんの信頼に繋がるんやで。
【失敗から学べ!】ワイがやらかしたリペアの大失敗と3つの教訓
成功話ばっかりやとおもろないやろ?ワイかて、数えきれんくらい失敗してきたんや。あんたには同じ轍を踏んでほしくないから、恥をしのんでワイの失敗談を3つだけ話しとくわ。
教訓1:知識不足でヴィンテージデニムをダメにした話
あれは起業して間もない頃や。価値ある60年代のヴィンテージデニムを仕入れたんやけど、ちょっとカビ臭かったんよな。若かったワイは「せや!漂白剤に漬けたらええんや!」というとんでもないアホな考えに至った。結果は…見るも無残。インディゴは抜け落ちてまだら模様、生地はゴワゴワ。ただのボロ布にしてもうた…。ヴィンテージもんには、その年代や素材に合った特別な手入れが必要やねん。 知識がないまま手を出すのは、絶対にやったらあかん。
教訓2:コスト計算ミスで赤字垂れ流し
リペアにハマりだした頃、細かい刺繍のほつれを直すのに夢中になって、気づいたら一つのシャツに5時間もかけてもうたことがある。時給に換算したら、コンビニのバイト以下やったわ(笑)。リペアはあくまでビジネス。その作業にどれくらいの時間がかかって、人件費はいくらで、それで利益は出るんか?っていうコスト意識がなかったら、ただの自己満足で終わってまうで。
教訓3:「完璧」を目指しすぎて売る機会を逃した過去
「この小さな傷が気になる…」「もうちょっと色を近づけたい…」そうやって完璧を求めすぎて、いつまでも出品できへんかった時期があった。そうこうしてるうちに季節は過ぎて、結局売れ残ってしもた。古着っていうのはな、多少の傷や色落ちは「味」として受け入れてくれるお客さんが多いんや。100点を目指すより、80点でええからスピード感を持って市場に出すこと。このバランス感覚がめちゃくちゃ大事やで。
【シミ・黄ばみ編】プロが実践する古着クリーニング術
さあ、ここからは実践編や!まずは一番多い悩み、シミと黄ばみの落とし方からやで。
まずはこれだけ!シミ抜きの基本道具と心構え
高い道具はいらん。まずは家にあるもんで十分や。
- 基本道具:
- 使い古しの歯ブラシ
- 食器用中性洗剤
- 酸素系漂白剤(粉末タイプがおすすめ)
- 綿棒
- タオル
- 心構え:
- 焦らない: シミは時間との勝負やけど、焦ってゴシゴシこするのは一番アカン。 生地を傷めるだけや。
- 叩くように: 汚れを下のタオルに移すイメージで、トントンと優しく叩くのが基本や。
- テストする: 必ず服の裏側とか目立たんところで、色落ちせんかテストしてから本番に挑むこと。
汚れの種類別!攻略法はこれや!
シミには種類があって、それぞれ落とし方が違うんや。 これを間違うと、逆に汚れが定着してしまうから要注意やで。
- 水溶性のシミ(コーヒー、醤油、ジュースなど)
- 手順:
- シミの下にタオルを敷く。
- 水で濡らした綿棒や布で、シミの外側から中心に向かってトントン叩く。
- 食器用中性洗剤を薄めた液を歯ブラシにつけて、さらに優しく叩く。
- 汚れがタオルに移ったら、水でしっかりすすぐ。
- 手順:
- 油性のシミ(ファンデーション、食べこぼしの油、襟元の皮脂汚れなど)
- 手順:
- 乾いた状態で、シミに直接クレンジングオイルか食器用中性洗剤を塗る。
- 歯ブラシで優しく叩いて、オイルや洗剤を汚れに馴染ませる。
- ぬるま湯で揉み洗いして、洗剤をしっかり落とす。
- その後、普通に洗濯する。
- 手順:
諦めたらあかん!Tシャツの首元の黄ばみ撃退法
古着Tシャツの最大の敵、首元の黄ばみ。これは皮脂汚れが酸化したもんやから、普通に洗濯してもなかなか落ちひん。 でも、酸素系漂白剤(オキシクリーンとか)を使えば、驚くほどキレイになるで。
- プロの「オキシ漬け」手順:
- 準備: バケツや洗面器に、40〜60℃のお湯を準備する。 熱すぎると生地を傷めるから注意や。
- 溶かす: お湯に酸素系漂白剤を規定量入れて、しっかり溶かす。この時、ちょっとだけ食器用中性洗剤を混ぜると、皮脂汚れへの浸透力がアップするで。
- つけ置き: 黄ばんだTシャツを投入して、30分〜1時間ほどつけ置きする。 汚れがひどい場合は、たまに様子を見ながらもう少し長くてもええ。
- すすぎ・洗濯: つけ置きが終わったら、軽くすすいでからいつも通り洗濯機で洗う。
これで、諦めてた黄ばみが真っ白になったら感動もんやで!
【穴あき・ほつれ編】価値を上げる古着リペア術
次に穴あきやほつれ。これもちょっとした技術で、見違えるようにキレイになるし、時には価値を上げることもできるんや。
小さな穴なら自分でできる!基本の「コの字縫い」
虫食いとか、引っ掛けてできた小さな穴は「コの字縫い」でほとんど目立たんようになる。 これは絶対に覚えときたい技術や。
- 手順:
- 穴の周りをアイロンで整える。
- 服の色に近い糸を用意する。
- 穴の裏側から針を入れ、生地の折山をすくうように「コ」の字を描くように縫い進めていく。
- 最後まで縫ったら、糸をゆっくり引っ張る。そしたら、魔法みたいに縫い目が隠れるんや。
- 最後に玉止めして完成や。
デニムの穴は「味」になる!ミシンたたき補修
デニムの膝とか股に開いた穴は、もうリペアの定番やな。家庭用ミシンでもできる「ミシンたたき」で、強度も見た目もええ感じに仕上がるで。
- コツ:
- 裏から補強: まず、穴の裏側に接着芯か、いらんデニム生地を当てて補強する。
- 糸の色: デニムの色と全く同じじゃなくて、ちょっと違う色の糸を使うと、それがデザインになってカッコええ。
- 縫い方: ミシンの設定を細かくして、縦横無尽に、穴を埋めるように何度も往復して縫っていく。 ランダムに縫うのが「っぽさ」を出すコツや。
ニットのほつれは放置厳禁!専用の針で簡単リペア
ニットの糸がぴょんって飛び出てるやつ、あれをハサミで切ったら絶対アカンで!そこから穴が広がってまう。手芸屋さんに売ってる「ほつれ補修針」っていう便利な道具を使えば、一瞬で直せるんや。
- 使い方:
- 飛び出た糸の根元に、ほつれ補修針を刺す。
- 針には糸を通す穴がなくて、表面がザラザラしてる。
- その針をそのまま裏側に引き抜くだけ。そしたら、ザラザラが糸を引っ掛けて、一緒に裏側に入ってくれるんや。
【経営者目線】リペアすべき古着の見極め方
ここまで技術的な話をしてきたけど、一番大事なのはこっからや。どの服を直して、どの服を諦めるか。この「経営判断」ができんと、ビジネスとしては成功せえへん。

この計算ができなきゃ赤字!リペアの採算ライン
リペアする前には、必ずこの計算を頭の中でやる癖をつけときや。
(想定売値)-(仕入れ値)-(リペア費用)-(送料・手数料)= 利益
「リペア費用」には、材料費だけやなく、自分の作業時間も時給換算して入れるんやで。この計算をして、しっかり利益が残る見込みがあるもんだけ、手を動かすんや。
「直す古着」と「捨てる古着」を分ける判断基準
ワイは、だいたいこの4つの軸で判断してるわ。
- フローチャートで考える判断基準:
- ブランド価値・希少性はあるか?
- YES → 次へ
- NO → よっぽどデザインが良くないと「捨てる」候補
- リペアは自分の技術で可能か?(時間はかかりすぎないか?)
- YES → 次へ
- NO → 外注を検討(後述)するか、「捨てる」
- 今のトレンドに合っているか?
- YES → 次へ
- NO → 定番アイテム以外は「捨てる」候補
- リペア後に十分な利益が見込めるか?
- YES → 「直す」決定!
- NO → 「捨てる」
- ブランド価値・希少性はあるか?
例えば、ノーブランドのTシャツのひどい黄ばみは、手間かけて直しても儲けは少ないから「捨てる」。でも、人気ブランドのジャケットのボタンが一つないだけなら、数百円でボタンを付ければ数千円の利益になるから「直す」。この判断が大事や。
プロに頼むべきダメージとは?外注の賢い使い方
自分の手には負えんリペアもある。例えば、スーツのかけつぎ(共布を使って穴を完全に塞ぐ技術)とか、レザー製品の修理とかな。そういう時は、無理せずプロに外注するのも立派な経営判断や。
- 外注のポイント:
- 相見積もりを取る: 複数の業者に見積もりを依頼して、料金と技術を比較する。
- 費用対効果を考える: 修理代を払っても、それ以上の値段で売れて利益が出るか、冷静に判断する。
- 得意分野を見極める: 染み抜き専門の店、デニムリペア専門の店など、その道のプロに頼むのが一番や。
よくある質問(FAQ)
Q: オキシクリーンってどんな古着にも使って大丈夫?
A: 基本的には綿やポリエステルには強いけど、シルクやウール、色柄が派手なヴィンテージもんには注意が必要やで。 必ず目立たんところで試してから使うこと。特に海外版のオキシクリーンは成分が強いから、最初は日本版から試すのがおすすめやな。
Q: リペアしたことは商品説明に書くべき?
A: 絶対に書くべきや!誠実さが信頼に繋がるし、「丁寧にリペア済み」と書くことで、むしろ付加価値になることもあるで。「味」として理解してくれるお客さんに買ってもらうのが、トラブルを避ける一番の方法や。
Q: 必要な道具はどこで揃えるのがおすすめ?
A: ほとんどは100円ショップや手芸用品店で揃うで。最初から高いもんを買う必要は全くない。まずは最低限の道具で試してみて、自分のやりたいリペアのレベルが上がってきたら、ちょっとええ道具に投資していくのが賢いやり方や。
Q: シミや汚れがどうしても落ちません。諦めるしかない?
A: 家庭で無理なら、一回クリーニングのプロに相談してみるのも手やな。特に「染み抜き専門」の店は技術が高い。 ただし、コストがかかるから、その服が費用をかけてでも売る価値があるか、冷静に判断することが大事やで。
Q: リペアの技術はどうやって学べばいいですか?
A: まずはYouTubeやな。今はプロが無料で技術を公開してくれてる動画がいっぱいある。 あとは、とにかく安い古着で練習すること。失敗を恐れず、数をこなすのが一番の上達法や。「失敗は成功の母」やで!
まとめ
どうやったかな?シミや穴あきも、見方を変えれば「儲けの種」になるってことが、ちょっとは伝わったやろか。大事なのは、ただ直す技術だけやない。「これは直す価値があるか?」を見極める経営者の目線を持つこと。
ワイも数えきれんくらい失敗してきたけど、その一つ一つが今の自分を作ってくれてる。あんたも失敗を恐れんと、まずは100円の古着からでもええから、リペアに挑戦してみてほしい。その一歩が、あんたのビジネスを大きく成長させるきっかけになるはずや。応援してるで!一緒に頑張りましょう!